皆さんこんにちは!たなかです
4月12日、平塚市内にて不正に入手したキャッシュカードを使用して現金を引き出して盗んだとして現金回収の指示役とみられる村杉浩之容疑者が逮捕されました。
複数の人間と共謀して平塚市内のコンビニにあるATMにてキャッシュカードを使用し、およそ50万円を引き出した疑いが持たれています。
村杉浩之容疑者の容疑
村杉浩之容疑者は事件当日、東京都内在住の70代女性宅に市役所職員を装い、「還付金はATMで手続きできる」と虚偽の電話をかけて女性を騙し、50万円を振り込ませた容疑です。
今回の事件のポイントとなるのは、いわゆる「実行犯」ではなく、指示役が逮捕された点です。
これまで特殊詐欺にて逮捕された容疑者は多々いますが、いずれもいわば実行犯。しかし今回逮捕されたのは指示役でした。
これまで多くの実行犯が逮捕されていましたが、その都度「結局はトカゲの尻尾切でしかない」との声は多々挙がっていました。
しかし今回、指示役という、いわば「それなりの立場」の人間が逮捕されることになりました。
さらに驚きだったのは、事件の関係先として平塚市内の暴力団事務所が家宅捜索を受けた点です。この事実から、これまでも指摘されていたように、特殊詐欺にはやはり暴力団が絡んでいると考えてよさそうです。
暴力団が絡んでいる理由
まだまだ操作を受けた段階ではありますが、容疑者が逮捕されており、かつ事務所まで家宅捜索を受けているという事実は、高確率で該当暴力団事務所が絡んでいると考えてよいでしょう。
特殊詐欺にて被害となった金額は、暴力団の資金源になっているとの指摘は多々ありました。実際、暴力団は決して暴力だけで圧倒する時代ではありません。むしろ知能犯が増えています。
かつての「暴力団」のイメージをお持ちの方にとっては、暴力団とITはあまり関係ないと思っている方もいるかもしれませんが、暴力団は時代に合わせた詐欺の手法を考えるものです。
我々の生活の中でこれだけITが浸透しているのです。今の時代の暴力団はIT知識も不可欠となっているのは、今回の件でも証明されたのではないでしょうか。
特殊詐欺と暴力団の関係
もちろん特殊詐欺と暴力団の関係は、行政とて把握しています。
参照:警察庁・組織的に敢行される特殊詐欺に対する警察の取組(https://www.npa.go.jp/hakusyo/r03/honbun/html/xt100000.html)
このように、警察では暴力団構成員を把握しています。
参照:大阪府暴力追放推進センター・暴力団と特殊詐欺について(https://www.boutsui-osaka.or.jp/pdf/column/201911_lawyer_column.pdf)
このように、行政サイドとしても暴力団と特殊詐欺の関係性を把握しつつあります。
しかし、暴力団だからといって、何もしていない段階での逮捕はできません。
つまり、今回の逮捕劇は、いわば「それまでの警察の努力の賜物」だと考えてよいでしょう。
決してこれまで何もしていなかったのではなく、このような形で逮捕できるチャンスを伺っていたということです。
それでも特殊詐欺は無くならないとの声
今回、指示役が逮捕されたことはとても大きなトピックです。
闇バイト募集で「釣られた」実行犯は、いわば一般人です。どれだけ逮捕したところで、組織の中枢にまでは届きません。
しかし今回は指示役です。「何も知らないけど、言われたことをしていました」ではないのです。何せ実行犯に指示を出していた側を逮捕することができたのです。
今後、事件の全容を解明することができるかもしれません。仮にですが、事件の全容を解明することができれば特殊詐欺そのものを減らすことができるかもしれません。
一方で、それでも結局は特殊詐欺はなくならないだろうとの声もあります。
というのも、特殊詐欺に関わらず、これまでも詐欺は結局「いたちごっこ」の様相を呈しています。
今回は警察が逮捕までこぎつけました。しかし、逮捕された側とて「これは逮捕される」が分かったのです。
つまり今後、今回の「失敗」を改善し、より巧妙な詐欺が生まれてしまう可能性があります。皮肉なことに、警察が捜査に力を入れれば入れるほど、特殊詐欺側のスキルを高めてしまう結果となってしまっているのです。
しかし、それでも放置していては警察の沽券に関わる問題です。
何もできなければ、市民から「警察は何をしているんだ」「情けない」との批判を受けることになります。
まとめ
村杉浩之容疑者の逮捕は警察の捜査の賜物です。
特殊詐欺の手口等の解明を進めることができる一方で、世の中にはまだまだ多数の特殊詐欺があります。
一人逮捕されたからといっても、決して世の中から特殊詐欺がなくなることはありませんので、引き続き怪しい話には関わらないよう気を付けましょう。