皆さんこんにちは!たなかです!
2023年3月、世間を震撼させた楽天モバイル副社長の多額の詐欺事件。社員による約98億円の詐欺という前代未聞の事件の続報が入りました。
6月1日、その楽天モバイル元部長の妻である佐藤智子容疑者が逮捕されました。罪状は組織犯罪処罰法違反。
不正で得たお金だと知りながらお金を受け取っていたということで、組織的な犯行だと判断されました。
事件のおさらい
まずは事件のおさらいです。
この事件はいわば奇跡的なタイミングでもありました。楽天がモバイル事業に力を入れていた時期だったことから、楽天内部でも「どれだけお金を使ってもよいから急ピッチで」との雰囲気となっていた時に、当時モバイル部長だった佐藤容疑者は、携帯電話基地局建設の業務委託費を水増しして請求。関連会社と結託し、約100億円のお金をだまし取りました。
今回逮捕となった妻である佐藤智子容疑者は、下請け会社にて代表取締役を務めており、多い時には役員報酬が月額2,700万円だったこともあるとか。
これだけの金額を得たことで高額なブランド品を大量に購入していたとのこと。
捜査では夫とのやり取りにて、ヴィトンで830万円、シャネルで240万円購入していることや既にフェラーリやポルシェを所有しながらレクサスを追加で購入するなど、その豪遊ぶりが大きな話題を集めていました。
組織犯罪処罰法違反とは?
今回佐藤智子容疑者の逮捕容疑となったのは組織犯罪処罰法違反。
つまり、「悪いと分かっていた」ということです。
もしもですが、妻が専業主婦で夫の事業のことを一切知らず、夫から「最近景気が良いからガンガンお金使ってよいよ」とだけ言われていたのであれば、佐藤智子容疑者に組織犯罪処罰法違反は該当しません。
しかし捜査関係者が入手したやり取りから、佐藤智子容疑者は夫が不正で得たお金だと知ったうえで豪遊していたことになります。
夫も再逮捕
実は同じタイミングで楽天モバイル部長だった佐藤容疑者も逮捕されています。
だまし取ったおよそ98億円のうち、およそ20億円を架空の契約を装い隠していたことでの再逮捕です。つまり、かなり計画性の高い、悪質な案件だと判断されたのでしょう。
そもそも、関連会社と結託している点や、その後の豪遊ぶりから決して「魔がさした」ものではなく、確信犯的なものであることが伺えます。
既に「監視社会」が形成されている
関連会社を通すなど、計画性の高さが伺えるこの事件ですが、露呈したのは水増し請求に気付いたからとされています。
バレないよう工夫したり、さらには楽天そのものがお金に糸目をつけない状況だったとはいえ、結局は露呈するものです。また、今回は楽天側で気付いた模様ですが、仮に楽天が気付かなかったとしても、何らかの形で気付かれてしまうものです。
それこそブランドの購入品だけで1億円あったとの報道もあります。高級車を何台も所有したり、タワーマンションを所有していたりなど、羽振りの良さが報道されていますが、それらは結局税金の流れの中で露呈する部分です。
仮に楽天が気付けなかったとしても、いずれは国税局が違和感に気付き、何らかの形で事情説明を求めて露呈していた可能性が高いです。
「監視社会」との言葉は少々物騒ではありますが、既に現代社会では監視社会が出来上がっている状態です。
表面的なもので言えば監視カメラ。何かあれば警察は周辺の監視カメラに協力を求めます。
さらにはドライブレコーダー。煽り運転の影響から搭載している車が増えているドライブレコーダーもいわば「記録媒体」です。周辺を走行した際、決定的瞬間が記録されていることも珍しくありません。
さらに内面的なものとしては国税局の動きです。
やはり「税金」は簡単には隠せないもので、例えば不正で得たお金で何かをすれば、お金が動きます。そしてお金が動くことで税金が発生します。
自分自身では慎重に行動していたつもりでも、税金から「なぜ急にこれだけの取引が行えるのか」に始まり、税務調査を受けて不正が露呈するケースも珍しくありません。
今回の件に関していえば、関連会社を立ち上げて不正を行う点は計画性がありました。しかし、「その後」に関しては杜撰な部分が目立つのも事実。
例えばですが、この二人の容疑者がお金を使うことで羽振りが良くなったお店もあるでしょう。
その一つが夫の佐藤容疑者がお金を使ったとされるレーシングチーム。
不正で得たお金から数十億円程注がれたのではとされていますが、不正経理が明らかになってから、関連会社の活動も止まってしまいました。
当然、税務署側とすれば「急に利益が増えている」ことに違和感を覚えますので、何らかの調査を行うことでしょう。
すると、顧客として佐藤容疑者がクローズアップされる。なぜ佐藤容疑者がそれだけの富を得ているのか。すぐにでも露呈するような行動をしてしまっているんです。
それを思えば、このような結末はある意味では当然かもしれませんね。